ちょっと時間が空いてしまったけど、前回の記事に引き続き、今回も皆で盛り上がって楽しめるボードゲームをご紹介。
前回は大人数で大人も子供も一緒にプレイ出来る、パーティー向きのゲームを紹介した。
今回はテーマが大人向きで、大人がじっくりプレイするのにおすすめのボードゲームをご紹介。
それじゃあ行ってみよう!
パンデミック
大人におすすめのゲーム2選
おすすめボードゲーム3:パンデミック
オススメ3:パンデミック
プレイ人数:2-4人
プレイ時間:約50分
対象年齢:13歳以上
パンデミックとは
「パンデミック」は世界中のウイルス感染をプレイヤー同士が協力して防ぐ、協力型のゲームだ。
「ゲーム=勝者と敗者」という観念を根本から覆す協力ゲーム。
パンデミックにおける勝敗は、全員勝つか全員負けるかのどちらかなのだ。
プレイヤーは医療研究チームの一員となって、世界中で蔓延しているウイルスに立ち向かう。
プレイヤーはそれぞれ異なる役割を担当し、役割ごとに備わっている特殊能力を駆使しながら、世界中の街々のウイルスを除去したり、ウイルスごとのワクチンを開発したりしていく。
このゲーム、プレイヤー同士の密なコミュニケーションと協力が不可欠で、クリア出来てもギリギリの所で何とかクリア出来るという絶妙なゲームバランスが取られている。
刻々と各都市で広がっていくウイルスの猛威を前に、手に汗握るスリルを味わえる名作だ。
パンデミックのルール、勝敗について
パンデミックの勝利条件は4種類のウイルスの治療薬を全て発見することだ。
シンプルで分かりやすくて良い。
しかし、勝利条件が1つなのに対し、敗北条件は3つある。
その敗北条件が、
- プレイヤーカードの山札がなくなる。
- アウトブレイクが8回発生する。
- 病原体コマが無くなって置けなくなる。
この3つの敗北条件を回避しつつ、たった1つの勝利条件をチームで達成しなくてはならないのだ!
この勝利へ至る道の狭さが、このゲームの難易度とプレイヤーのゲームに対する真剣さを引き上げている。
手番でのアクションについて
プレイヤーは自分の手番に以下の5種類のアクションを4回行動することが出来ます。
1.移動:4種類の方法で自分のコマを移動させる。
①隣接する都市に移動する。
②手札を一枚使って、使用したカードに書かれている都市へ直接飛ぶ。
③手札に自分のコマの置かれている都市と同じカードがある場合、そのカードを使用して好きな都市へ飛ぶ。
④調査基地から別の都市にある調査基地へと飛ぶ
2.ウイルスを取り除く:自分のいる都市のウイルスコマを1個取り除くことが出来る。
3.治療薬を作る:調査基地に居て、同じ色のカードが5枚手札があれば、その色のウイルスの治療薬を作ることが出来る。
4.手札の受け渡し:同じ都市にいる他のプレイヤーに自分の手札を1枚渡す、もしくは受け取る。ただし、受け渡し出来るのは現在地のカードのみ。
手番を終えたら
手番プレイヤーが4つのアクションを終えたら、すぐに下記のことをします。
⑴プレイヤーカードを2枚引く
手札の補充。ただし手札が7枚を超える場合は好きなカードを捨て、7枚になるようにする。
⑵感染カードを2枚引いて、ウイルスコマを1つずつ置く
プレイヤー1人の手番が終わるごとに、世界にはウイルスが増えていく。引いた感染カードは捨て札の山に置く。感染カードの山札がなくなった場合は、捨て札をシャッフルして山札とする。
⑶次のプレイヤーに手番を回す。
こうして1人のプレイヤーの手番が終わると、世界のどこかに最低2つウイルスが増えていく。
そうやって病気がどんどん広がっていく様を表現しているのだ。
しかし、パンデミックでは、ウイルスがもっと爆発的に増殖する特殊な状況が起きる!
それが「エピデミック」と「アウトブレイク」だ。
エピデミックとは
「エピデミック」はプレイヤーのアクション終了後の処理、⑴ 手札補充の時に起きる。
プレイヤーが山札から、「エピデミックカード」を引いてしまったら以下の処理を強制的に行わなくてはいけなのだ!
❶感染マーカーを1つ進める。
❷感染カードの1番下のカードを引いて、その都市にウイルス駒を3つ置く。
❸今まで捨てた感染カードをシャッフルして感染カード山札の1番上に置く。
そしてこの「エピデミック」をさらに凶悪にするシステムが「アウトブレイク」だ。
アウトブレイクは、同じ都市にウイルス駒を3つを超えて置くことになった場合に発生する。
同じ都市にウイルス駒を4つ以上置くことになったら、
❶ウイルス駒を周りの街に1つずつ置く。
❷ここで更に3つを超える都市がてた場合も同様にその周りの都市にウイルス駒を新たに1つずつ置く。
アウトブレイクが起きるとウイルスが一気に周辺の都市に広がっていく。
そしてアウトブレイクはアウトブレイクを呼び、1回のアウトブレイクが連鎖して2回、3回とアウトブレイの環が水面に波紋が広がるように、世界中に広がっていく事もあるのだ!
ここが、パンデミックにおいて、最も熱く、最も手に汗握る瞬間だ。
パンデミック、ここがおすすめ!
パンデミックは難易度が高めに設定されている協力ゲームだ。
エピデミックカードを山札に何枚入れるかでゲーム攻略の難易度を調整できるようになっているが、最高難易度で挑戦すると、このゲームを何度もプレイした熟練者のチームでも簡単にはクリアが出来ないくらい難しい。
しかし、ゲームクリアが難しければ難しい程、プレイする際の真剣さと、チームの結束感は上がる。
大人が本気の顔でゲームボードを前に世界を救おうと頭を悩ませる。
ゲームをしながら映画のような展開が楽しめる超優秀なゲームだ。
とにかく、チームのコミュニケーションが重要で、独断専行で勝手にプレイしても絶対に勝利できない、協力プレイゲームならではの難易度がとっても良いよ!
おまけ
パンデミックをもっと本気で楽しみたい人には「パンデミック:レガシー」シリーズというのも販売されている。
これは、同じメンツで1つのシナリオをプレイするというシリーズもののゲームで、何と購入してもたった1回しか遊べないという、正に大人専用のボードゲームだ。
1回しか遊べないため、敗北が濃厚な状況でも諦めることが許されず、ゲームでありながらドラマチックな展開を楽しめる…らしい。
僕は未プレイのため、感想が書けないのです。
ただ、レビューを見ると評価は高めなので、面白いことは間違いない。
パンデミックをプレイして、気に入ったら買って見るのもありだろう。
ムガル
おすすめボードゲーム④:ムガル
オススメ4:ムガル
プレイ人数:3~6人
プレイ時間:約60分
ムガルについて
ムガルは株式取引で財産を稼ぐことが目的の「競りゲー」だ。
5種類の株券を競りで競り落とし、手に入れた株券をタイミングよく売却することで勝利点を稼ぐというのがこのゲームの目的だ。
最終的に、「暗黒の木曜日」が訪れた時点で最も勝利点を稼いでいたプレイヤーが勝ちとなる。
これはテーマから言っても完全に大人向けのゲームですよ。
「株式」「競り」と聞くと小難しそうなイメージを抱きそうだが、予想に反してルールは信じられないくらいシンプルだ。
ムガルのルール
山札から1枚オープンされた株券を皆で競る。
プレイヤーにはお金として、6枚のコイントークンが最初に与えられる。
プレイヤーはこの6枚のコインを資本金として株式の競りに参加する。
競りに参加する方法は簡単、オープンにされている株券カードが欲しければ、手元から1枚のコインを場に出すだけ。
親のプレイヤーから始め、順番にコインを場に出していく。
途中でこの競りから降りたい時は、場に出ている全てのコインを自分のものにして、以降そのカードの競りには参加しない。
最後の1人になるまで競りを行い、最終的に競り勝ったプレイヤーが株券を「買う」か株券を「売る」かのどちらかを選択する。
1番競り勝ったプレイヤーが株券を買えば、競りで次点だったプレイヤーが株券を売る権利を手にいれる(もし1番のプレイヤーが株券の売却を選択した場合は、次点のプレイヤーは提示されている株券を手にいれることが出来る)。
競りが終了したら、山札から1枚のカードをオープンにし、前回の競りで1番になったプレイヤーから順番に再び競りを行う。
以上の手順を山札から「暗黒の木曜日カード」出るまで繰り返す。
「暗黒の木曜日カード」が出たら、精算を行いゲーム終了。
ムガル、ここがおすすめ!
コインを1枚手元から出すだけというシンプルな内容だが、駆け引きが本当に凄い!
競りに参加し続ければいずれコインが手元から無くなってしまう。
コインが無ければ全く何も出来ないので、プレイヤーは自然と競りに参加するタイミングと競りを降りるタイミング見計らうことになる訳だけど、場に溜まっていくコインへの渇望というか、誘惑が本当に凄いのだ。
「ああ、あの大量のコインを何とか手に入れたい! アイツが競りに乗れば次の自分の番で競りを降りてコインを全部手に入れられる!」
なんて考えていると隣のプレイヤーがあっさり競りを降りてコインを全部持っていってしまう。
それを横目に「キィィーーーッ!」となる。
そういうジレンマがたまらなく楽しく、盛り上がること必至のゲームだ。
こんなにルールがシンプルなのに、これ程の悩めてしまうのは「凄い!」の一言。
でも、コインをどれだけ溜め込んでも、最終的な勝敗は株式を売った時に手に入る勝利点で決まるのため意味がないという、この辺の塩梅も本当によく出来ている。
とにかく、「凄い!」「面白い!」「もっと俺にコインをよこせ!」「もっと株の相場を上げろ!」となる秀逸な競りゲームだ。
お酒片手にプレイしたら間違いなく盛り上がるね。
現在、「ムガル日本語版」は手に入りにくい状況になっているようだ。
ただ、並行輸入版の「Mogul-Board Game」は手に入る。
しかし、こちらは日本語説明書が付属していない。
日本語のルールはネットにあるので、簡単に見つかるだろう。
また、並行輸入版は従来のルールに新しい要素が加えられた改訂版のようなので、ひと味違ったゲームを楽しめるだろう。