子供が生まれると妻は変わる?夫の変化に対する認識不足について考えてみた

先日、子育て中の若い夫婦と話をする機会があった。

その中で、奥さんの方から「旦那が思うように家のことを手伝ってくれない」という不満を僕らに話してくれた。

いや、実際は不満というより、切実な訴えと言った方が正しいだろう。

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子育てママの抱える葛藤

奥さん曰く、休みの日に旦那に家事を手伝ってくれるようにと頼むと、「折角の休みなのに自分はいつ休めば良いのか」というような事を言って不機嫌になり、手伝ってくれないと言うのだ。

奥さんがこの話をしたのは、旦那さんが子供を連れて席を立ったタイミングだった。

多分、精神的に一杯一杯で、このタイミングで誰かに話さないと無理だと思ったから話してくれたのだろう。

 

目に涙を浮かべて切々と現状のシンドさを訴える彼女のを見て、僕ら夫婦は、「まるで過去の自分たちを見ているようだ」と思った。

友人夫婦は僕らより若く、最近になって2人目を出産したばかり。

上の子は未就学児で下の子はまだ授乳をしているという、子育てをしている夫婦にとっては最も大変な時期にある。

夜は下の子の授乳や夜泣きへの対応があり、やっと寝てくれたと思ったら今度は上の子が泣きながら起きて来てそれに対応しなくてはならない。

そんな生活がずっと続いているため、奥さんは慢性の睡眠不足。

 

実家は両方とも遠いので頼る事が出来ないため、旦那が仕事で出かけると、夜帰ってくるまでずっと子供2人の面倒を見ながら過ごさなくてはならない。

日中に頭が動かず、ボーッとすることが多く、正常な判断が出来ないと感じることも多いと言っていた。

今の家は旦那の仕事の関係で引っ越してきた所なので、近所に親しい知り合いがおらず、それも彼女から余裕を奪っている原因となっているようだった。

 

問題の原因は夫の認識不足

僕ら夫婦も同じくらいの歳の差の子供が2人いるので、彼ら夫婦の現状が大変なのは身をもって実感出来る。

子供たちが同じくらいの年齢・月齢の時は確かにメチャクチャ大変だったからだ。

その時を振り返ってみて、あの大変さの原因がどこにあったかと言えば、夫である僕が家事や子育てに対して非協力的だったから、というのが原因の1つとして確実にあると思う。

まさに友人夫婦の置かれている状況は過去に僕らが通ってきて、経験してきた事そのものなのだったのだ。

 

友人の奥さんの話を聞いて僕が最初に思った事は、「同じような状況に置かれて悩んでいる若いお母さんは沢山いるだろうな」という事だ。

彼女は単純に子育ての大変さで悩んでいるのでは無い。

自分たちの置かれている現状について甘い認識しか出来ていない旦那の役立たなさに悩んでいるのだ。

 

妻の思いと夫の妻に対する見当違いな気遣い

妻の側では、

「私の置かれている状況がどれほど大変なのかは見れば分かるでしょう。炊事、買い物、洗濯、掃除をこなし、子供たちを遊ばせるために公園に連れて行き、食事も子供の世話をしながら食べるので冷めたご飯しか食べられず、何かを始めても子供が泣けば子供の所に飛んで行って世話をし、夜も授乳や夜泣きへの対応で充分に眠れず、自分のための時間などほとんど取れない。

そして慢性的な睡眠不足で正常な判断も出来ないでフラフラしている。これだけ大変な状況なのに、何であなたはそれを見ても何もしてくれないの!この状況を見て何とも思わないの!」

と思っているのだ。

 

それぞれの家庭の状況によっても色々変わってくると思うけれど、おおよそこれくらいのことが夫に対して常に思っている妻の基本的な言い分だろうと思う。

ところが夫は、そんなボロボロの状態の妻を見て、「大変そうだな」とは思うけれども、思うだけで妻のために何かをしようという発想が全く出てこないのだ。

 

でも誤解しないで欲しい。夫は妻に対して無関心なのでは決して無い。

むしろ妻が日に日に荒んでいくのを見て心を痛めているし、心配もしているのだ。

なぜなら、妻の機嫌は家の中の雰囲気を決定するからだ。

妻が機嫌が良ければ家は居心地が良い場所になるし、妻の機嫌が悪いと家は居心地が悪くなる。

だから、妻が疲れ果て、荒み、機嫌が悪くなる事は夫にとっても切実な問題なのだ。

だから、少しでも妻を気遣いたいと言う思いはある。

 

だけど、夫には彼女に対して具体的にどう気遣いを表せば良いのかが分からないのだ。

妻をどう気遣えば分からないけれど、とにかく妻に気遣いを見せたいと思う夫が妻に対して言ってしまう間違ったセリフ No.1は、「そんなに大変なら家事は後にしても良いよ。ゆっくりやれば良いよ」だ。

これの何が間違ってるかって、結局自分は家事を一切手伝う気が無いことがビンビンに伝わってくる所だ。

 

妻にしてみれば積み上がっている家事を「いつ」やるのかは全く問題では無い。

問題なのは大変すぎて家事をする「暇」も「気力」も「体力」も無いことが切実な問題なのだ。

ところが、夫は「『今』大変なら『後』でも良いから家事をやっておけよ」と言うのだ。

これを聞いてキレない妻はいないだろう。

実際、僕も同じ事を言って随分このことで妻から怒られた。

 

夫が取るべき正解の行動と夫が変えるべき認識

もし夫の側に本当に妻を気遣うつもりがあるなら、そこは、「そんなに大変なら食器洗いは僕がやるよ」と言うべきだ。

いや、1番最高なのは何も言わず、黙って積み上がっている家事を黙々とこなすことだろう。

しかし、夫は絶対にそんなセリフは言わないし、そんな行動も取らない。

なぜか?

子育てのほとんどと家事の全ては妻がやるべき事だと頭から思い込んでいるからだ。

 

夫の抱える間違った役割分担の意識

このように考える夫の言い分の1番大きなものは「自分は毎日仕事をして、お金を稼いできている。仕事は自分にするべき事、でも家事の全てと育児のほとんどは仕事をしていない妻がするべき事でしょう。それが役割分担というものでしょう」というものでは無いかと思う。

妻が専業主婦、あるいは育休などをとって1日中家にいる場合、この主張は男性にとってもっともな理屈のように思える。

 

しかし、これは妻からしてみれば意味不明の論理なのだ。

なぜなら、夫は平日の定められた時間だけ外に行って仕事をしているけれど、育児中の妻は文字通り24時間、ノンストップで子供の面倒を見ているのだ。

夫がホクホクと温かいご飯を食べている時も、妻は子供の食事の世話をして冷たくなったご飯を落ち着かない状態で食べているし、夫がヌクヌクと布団の中で寝ている間も、夜中に起こされて子供の面倒を見ているし、夫が休日にリラックスしている時も妻は子供の面倒を見ているのだ。

 

育児のこの部分だけとっても、夫が仕事で拘束されている時間と妻が子育てで拘束されている時間では明らかに妻の方が多いと言える。

そういうと男性は、「でも妻は家に1日中いるのだから、空いた時間に子供と一緒にお昼寝したり、スマホでネット見たり、ちょくちょく自分の自由な時間をとっているんだろ。こっちは仕事の間は自分の好きに出来る時間は無いし、色々なストレスを抱えて帰ってきてるんだ」と思うかもしれない。

実際、自分はそう思っていた。

でもそれは大いなる誤解であり、男性にとって都合の良い妄想でしか無い。

嘘だと思うなら、休みの日に1日子供を預かって、自分1人で子供の面倒を見てみれば良い。

そのような考えが自分にとって都合の良い妄想でしか無いことが身に染みて分かるはずだ。

 

令和の時代に昭和の家庭像を理想と思っている夫たちへ

このような夫の主張について考えてみると、どうも夫が漠然とイメージしている家庭の在るべき姿、理想像というのが昭和の時代においての家庭像では無いかと思う。

具体的にはサザエさんの家庭をイメージしてもらうのが分かりやすいだろう。

妻というのは家庭における全ての家事・育児の主たる責任を負い、夫は外で仕事をして家ではリラックスし、妻から「ご苦労様でした」と労ってもらう、というイメージだ。

 

そんなサザエさん的な家庭のイメージが、なぜか平成を飛び越えて令和になった現代でも夫たちの心の中に「理想の家庭の姿・あるべき家庭の姿」として漠然と、しかし確かに存在しているように思う。

だけど、そんなサザエさん的な家庭の姿というのは令和の時代においては完全に妄想だから早く捨てた方が良い。

夫婦共働きが当たり前になった社会。しかもご近所との付き合いが消滅した現代社会においては、そんなサザエさん的家庭を築く事は不可能だ。

夫が仕事だけしていれば良い時代は終わった。

というか、そもそもそんな時代など存在しなかったのだ。

 

夫は妻に居心地の良い家庭を作ってもらおうとするのでは無く、自ら家庭を居心地の良い場所にしていく努力をしなくてはいけない。

もしその努力を怠るなら家庭が壊れ、妻に見限られて離婚になっても仕方が無いとまで言えるかもしれない。

個人的には、夫婦関係に問題がある家庭は十中八九、この部分に問題があるのでは無いだろうかとさえ思う。

家では手が空いている時には積極的に家事をする、この認識を持つことが夫婦円満の第一歩だと感じる今日この頃だ。

 

続く

 

 


管理人@妻のコメント

 

友人の奥さんの状況は昔の私を見ているようで心が痛い。

何が辛いって、夫が何も理解してくれないことですよ。無理解。

 

なんだろう、なんで男性って、奥さんが目の前で忙しく動いていることに対してああも認識できないんでしょうね。

朝、自分の身支度なんてする暇なく授乳したり着替えさせたり忙しいくバッタバッタしてるのに、夫は自分の支度だけして「まだなの?早くしてよ。」とか言うんですよ。

認知力がないか低下しているのか、一回脳ドックにでも連れてった方が良いかもしれない。

 

同じような状況の奥さん、怒るのもわかる。今の状況では怒る気力もないのもわかる。怒って夫と険悪になるのが嫌だし面倒だし、と思いますよね。

そう言う時は、怒るんじゃなくて、心底心配している風に

「私が子を着替えさたり洗濯したりで忙しいの、見ててわからない??自分が何をした方が良いかを考えることもできないなんて、認識力、大丈夫?脳ドック行く?」

って聞くと良いかも。

だって、掃除洗濯お皿洗いが必要なのは誰もが知ってるわけですよ。奥さんが必ずやらないといけない決まりもない。奥さんの負担を少しでも軽減させてあげようとする優しさはどこへやら。

 

知ってる家庭を見るに、仕事できる人ほど家事育児を積極的に手伝ってくれる夫であることが多い。

我が夫は私が病気になって、やっと積極的に家事をしてくれるようになりました。(遅いよ)

 

マジで丸っと1日夫が家事育児をすれば良いですよ。

体験したらわかる、ずっと意思疎通がろくにできないチビッコのペースでい続けるストレス、自分の時間なんて皆無で、怪我しないか、周りの迷惑かけないか、というプレッシャー。

出産で身体がボロボロで睡眠もろくに取れずに体調万全ではない奥さんと、元気な男性だったら、元気な男性がたくさん動くべきですよ。

 

大事なのは、自分が自分が、ではなくて、思いやりだと思う。

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